K.I.T.虎ノ門大学院主任教授の三谷宏治さんが書かれた「ビジネスモデル全史」「経営戦略全史」という本を読んでいます。一通り読んだのですが、もっと深く理解したくて、何度か読み直しています。
今回は、本の内容を私なりに整理した形でご紹介したいと思います。
ビジネスモデルとは何でしょうか? 一般には「儲ける(事業で収益をあげる)ための仕組み」と言われています。三谷さんは、著書の中で次のように述べています。
「誰に対してどんな価値を、何をどこから調達・創造して提供し、どう対価を得るのか」の組合せ(セット)
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誰に対してどんな価値を提供するか(売り方)
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何をどこから調達して創造するか(つくり方)
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どう対価を得るのか(儲け方)
この3つを組み合わせたものが、ビジネスモデルだと言います。
そして、上記の「売り方」「つくり方」「儲け方」には典型的なモデルが、それぞれにいくつか存在します。
●売り方のモデル
小売業における種々の業態
(チェーンストア、GMS、CVS、等)ドミナント・モデル
ダイレクト・モデル
Eマーケットプレイス・モデル
●つくり方のモデル
大量生産モデル
垂直統合モデル
水平分業モデル
系列モデル
産業クラスターモデル
リーン生産モデル
●儲け方のモデル
替え刃モデル
広告モデル
従量制課金モデル
プラットフォーム・モデル
ところが、インターネットの進展にともない、次のようなキーワードで呼ばれるような、これまでには実現不可能と思われていた形態でビジネスモデルを創ることができるようになり、また自由度の高まりと組合せの複雑さによって、様々なビジネスモデルが世に出てくるようになりました。
フリーミアム
ロングテール
クラウド(雲)
クラウド(群衆)
オープンイノベーション
一方、「売り方」と「つくり方」のバランスが崩れると業績が延びないか悪化します。どちらかが突出してもいけないのです。売り方を研究して販売を伸ばすことができたとしても、生産が追い付かないと欠品をおこし顧客から不満が紛失します。つくり方を改善して効率よく大量に生産できたとしても、販売が延びなければ在庫の山になってしまいます。
モデルのバランスを常に考えながら、次の手を打っていく必要があります。
経営戦略というのは、時代の変化に合わせてこうしたビジネスモデルの組合せを変化させていくことだと思います。だとすると、世の中にある優れたビジネスモデルを数多く学ぶ必要があります。
企業視察や事例セミナーなどは、ビジネスモデルを学ぶ機会です。単に上辺だけを見習うのでなく、ビジネスモデルそのものを深く理解するようにしなければなりません。
こうした機会を上手に活用して、自社のビジネスモデルを進化させてください。
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