No143 原点回帰 経営に役立つIT活用

弊社が属する上坂会計グループ(UCF)のホームページおよびメルマガがリニューアルされました。「Do it!」の提供方法も変わりますが、これまで同様、毎月書き続けますので、今後もご愛読よろしくお願いいたします。
そこで、「Do it!」を始めたときの想いも含め、『経営に役立つIT活用』を改めて書いてみたいと思います。


2003年4月の第1号のメルマガに、次のように書きました。
  「Do it yourself.」自分でやろう、「Do it anyhow.」とにかくやろう、
 「Do」実行しよう「it」ITを、という意味をこめて名前をつけました。
 経営にITを役立たせるためのヒントを毎月1回お届けします。


当時は、2000年前後に起きたITバブルもあり、ITという言葉が一般化し始めた頃でした。また、インターネットが広く普及し始め、ITに対する期待が広がっている頃でした。
一方、IT社会が到来しているにも関わらず、ITに無関心の経営者も多く、そんな経営者がITに前向きに取り組むきっかけになればと思い、このメルマガを始めました。


12年が過ぎ、社会も大きく変化しました。「ITって何?」という経営者は少なくなり、ITを積極的に活用しなければと考える経営者が多くなってきたと感じています。
ところが、IT=インターネットのような風潮があり、ネットビジネスをすることがIT活用であると思われている経営者が多いように思います。
インターネットが社会生活に与えた影響は大きく、ネット通販の売上規模も年々増加しています。また、これまで身近なところしか商圏として考えられなかった中小企業が、商圏を大きくすることを可能にしたのも事実です。「経営に役立つIT活用」の代表例であること間違いありません。


しかし、「経営に役立つIT活用」はネットビジネスだけではありません。IT(当時はコンピュータと言うことが多かったです)が企業内で使われ始めた頃は、ITの活用目的はコスト削減でした。ITを使って事務作業を効率化するためにIT投資を行うことが一般的でした。また、経営管理に必要な管理資料をITで作成することでマネジメント力の向上を図ることもIT投資の目的でした。
こうしたIT活用は今でも重要な活用法です。そして、IT機器やソフトが安価になったことや様々なITサービスが安価に提供されていることもあり、中小企業がIT活用に取り組むことが容易になっています。


特に、マネジメント力の向上は企業を成長させるために必要な要件です。目指す企業像にするために数値目標を設定し、目標に達していない場合にその原因を確定し改善・改革することを繰り返すことで、企業は成長します。大企業も最初は小企業でしたが、こうした経営(マネジメント)を繰り返しながら利益を生み出して投資を継続することで、大企業へと成長したのです。


そのためには、自社の経営を判断するために必要な計数(指標)は何かを考えなければなりません。売上や利益といった財務数値だけでなく、売上や利益を生み出すための活動が予定通り実行されているかを測定するための指標なども必要です。
例えば、新規顧客を開拓するための営業活動を把握するために、顧客訪問数と提案数を指標にして測定することができます。エネルギーの使用量をコントロールして製造原価を下げるために、製品1個当たりのエネルギー(電気や石油など)使用量を指標にして測定することができます。


計数管理の仕組みを作るために最も重要なことは、「データの入力をどうするか」です。ITとは「Information Technology」の略で、「情報技術」という意味です。情報を扱うための技術の総称で、情報コストを低減させるための技術です。ITに入力されたデータ(情報)を処理する(データを集計・加工し、管理資料を印刷する)ことは得意中の得意ですので、簡単にできます。
しかし、ITにデータを入力するところで手間がかかることが多く、多くの経営者はその手間をムダと考え、計数管理の仕組み作りに二の足を踏むことになります。ところが、ITの進歩により、こうした悩みも解決することが可能になっています。例えば、バーコードやセンサーを利用してデータの入力手間を省くことができます。また、日々の業務活動の中に仕組みを作りこむことで、自然とデータが集まるようにすることも可能です。


このようにマネジメントを支える計数管理を確実にできるようにすることは、マネジメント力の向上に不可欠な要素です。計数管理のためにITを活用することも、立派な「経営に役立つIT活用」です。
ITに対する認識を広く持ち、会社を成長させるためにITを上手に活用しましょう。

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